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猫に人のインフルエンザは移る?移らない?

飼い主(私)の話ですが、ある日、急に熱が上がり、
病院で検査をしてもらったらインフルエンザでした。

そこでまっさきに医者に聞いたのは、
「インフルエンザって猫にうつりますか?」ということ。

返ってきた答えは、
「え?…どうだろう?猫は専門じゃないからね~」
というあやふやな返事でした。

その時、「う~ん?誰か教えて!」
と39度の熱を出しながら思っていたのでした。

というわけで今回は、
猫に人のインフルエンザは移るのか、ということについて、
新型インフルの例外も併せてご紹介します!

インフルエンザはこんな病気

まずは私たち人間にもなじみ深いインフルエンザについて、
簡単にご説明します!

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人のインフルエンザ

インフルエンザとは、
インフルエンザウイルスが原因で起こる急性感染症です。

毎年ある時期になると流行するのは、
季節性インフルエンザで、A型、B型、C型の3種類があります。

感染経路は飛沫(ひまつ)感染です。

くしゃみなどにより飛んだウイルスが、
口や鼻を経由して呼吸器に入り感染します。

猫のインフルエンザ

実は、猫にインフルエンザはありません

よく猫のインフルエンザと表現される病気は、
「猫カリシウィルス感染症」です。

カリシウィルスの感染経路は、
飛沫感染と接触感染(間接感染)です。

■猫カリシウィルス感染症についてもっと詳しく知りたい方は
猫風邪の予防法とは?感染経路に注意!

人のインフルエンザは猫にうつるのか?

結論からいうと、

人のインフルエンザは猫にはうつりません!

ただし…今のところは。

実は、A型インフルエンザウイルスはヒトの他に、
鳥類、ウマ、ブタなどに感染します。(ヒトと家畜ですね)

なぜ鳥類、ウマ、ブタには感染するのに、
猫には感染しないのか?

これはインフルエンザウイルスが、
ヒトと家畜の間で変異を繰り返していたことと関係があるようです。

たとえばブタ。

人のインフルエンザと鳥のインフルエンザ両方にかかりやすい、
性質を持っています。

あるブタがヒトと鳥両方のインフルエンザに同時にかかり、

何かの拍子に体の中で両方の遺伝子がガッチャンコし、
変異したインフルエンザウイルスになります。

そして、そのブタから人に感染し、
その人からさらに別の人に感染が確認されると、

新型インフルエンザの誕生となります。

このウイルスの変異の過程に猫はいません。

ただ、最近では家畜よりも犬や猫の方が、
人の生活に入り込んでいますよね。

それが原因かは分かっていませんが、

2004年に馬インフルエンザウイルス亜型の、
イヌインフルエンザ(H3N8)が発生。

同じ年に、鳥インフルエンザウイルス(H5N1)亜型が、
猫や猫科の動物に感染した例がありました。

※どちらもヒトのインフルエンザではありません。

さらに記憶に新しいこんなインフルエンザもありました。

(下に続きます!)

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新型インフルエンザA(H1N1)pdm09の脅威!?

2009年~2010年春ごろまでに世界中が大騒ぎになった、
新型インフルエンザのことを覚えていますでしょうか?

「豚インフルエンザ」と言われていたあれです。

この時に流行したインフルエンザの正式名称が、
新型インフルエンザ「A(H1N1)pdm09」と言います。

2009年に急激に世界中に広がったH1N1型(ソ連型)の
亜型のインフルエンザです。

ここではわかりやすく「パンデミック2009H1N1」と呼びます。

先ほど、人のインフルエンザは猫にはうつらないと書きました。

しかし、例外があります。

それがこの「パンデミック2009H1N1」です。

アメリカ獣医師会のWebサイトでは、
2009年から2011年の間に合計11匹の猫で、

パンデミック2009H1N1ウイルスの感染が報告されています。

パンデミック2009H1N1の症例とは

猫への感染が初めて報告された2009年11月の症例です。

  • アメリカ・アイオワ州:
    呼吸器感染症の疑いのある、13歳の猫から2009 H1N1の陽性反応。
    → 回復
  • アメリカ・ユタ州:
    呼吸困難で病院に来た猫が簡易検査で陽性反応。
    → 回復
  • アメリカ・オレゴン州:
    飼い猫4匹中1匹から陽性反応。残り3匹は陰性。
    → 肺炎悪化により死亡

報告書を見ると、

  • 家族が新型インフルエンザを発症していた
  • 家族の発症後、1週間後くらいに症状が出た

というケースが多いようです。

また、報告の11匹中4匹重度の肺炎で死亡したそうです。
(11匹中9匹がアメリカ、残り2匹がフランス)

アメリカでの症例が多いのは、

アメリカのペット医療がとても充実しているから、
新しい症例が発見されやすいのだと思われます。

アメリカでは猫の予防ワクチン接種の割合がとても高く
ペット医療先進国でもあります。

そのため猫が呼吸器系の異常を訴えると、

「ワクチンでは効果が無い病気では?」と疑いを持ち、
調べることになります。

その結果の症例の多さとなります。

ちなみに、猫以外のペットとして、
フェレットもパンデミック2009H1N1ウイルスの感染が原因の
死亡例があります。

また犬でもパンデミック2009H1N1の感染例が
中国とアメリカで報告されていますが、死亡例はありません。

新型インフルエンザは人から猫に移るかも!?

以上のことから

通常のインフルエンザは人から猫にはうつらない。
しかし、新型インフルエンザはうつる可能性がある。

といえます。

ただし国立感染症研究所のような、公的機関の発表ではありませんし、
ヒト → 猫の感染が証明されているわけではありません。

今のところ、過度の心配は必要ないと思います。

ちなみに、犬はこれとは別に
イヌ・インフルエンザ(H3N8) があります。

イヌ・インフルエンザは予防ワクチンもあります。

猫がつきっきりで看病してくれたよ

この記事の冒頭部の続きになります。

「さてさて、インフルエンザ陽性の診断をもらい、会社休めるぞ~!」
と思いながら、

自宅のベッドで「ウーンウーン」と唸っていると…

うちの相棒(メス三毛猫 当時5歳)が、枕に半分だけのっかって、
鼻を突き合わせながら心配そうにこっちを見ていました。

「看病してくれるの?ありがとう。でも、インフルうつっちゃうよ。」

ドキドキしながらも「なんて優しい子なんだ~」と、
親バカ全開で考えながらそのまま眠りに落ちました。

1週間後、完全復帰した会社で猫好き親バカトークをしながら、
ふと気が付きました。

「あ、熱出てたから温みに来てただけか…。(汗」

その後、動物病院に行ったとき、

「インフルエンザって猫にうつりますか?」
と、まったく同じ質問を獣医師にしてみました。

答えは、

「基本的にインフルエンザはうつらないよ」
とのことで、事後確認でしたが安心しました(^-^)

まとめ

季節性の、ヒトのインフルエンザは猫にはうつりません

例外として、2009年に流行したパンデミック2009H1N1は、
猫に感染した症例が出ています。

もし今後、ご自身がパンデミック2009H1N1に感染したら、
治るまで猫とのスキンシップは避けた方がよいですね!

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