猫の風邪の原因・症状は?【死に至ることも!】
いつのように猫を抱きあげてみると、
「あれ?いつもよりあったかい?」
顔を見ると、
「あれ?目がうるうるしてる?」
ごはんの時間になっても、
「あれ?いつものように走ってこない?」
「もしかして風邪でも引いたのかしら?」
愛猫に元気がないと、心配になりますよね。
猫も風邪をひくのか、猫の風邪はどんな症状が出るのか、
猫風邪について詳しく見ていきましょう!
猫風邪の原因はなに?
よく耳にする「猫風邪」ですが、
実は、猫風邪という病気はありません。
人間においても同じことが言えますが、
正確に言うと、「風邪」は病名ではなく、
ある症状を起こす病気の総称です。
では、猫風邪とは何でしょう?
猫風邪の定義は、
です。
そして、ウイルス(もしくは菌)が原因で、
気管支や鼻、口、目などに何らかの症状が起きている状態です。
猫風邪は単体の病原体ではなく、
複合の病原体によって起こることが多い病気なのです。
怖い猫風邪
とくに重い症状を引き起こす感染症は、
次の3種類です。
- 猫ヘルペスウイルス感染症
- 猫カリシウイルス感染症
- 猫クラミジア感染症
それぞれ症状や治療方法に違いがあります。
→ 猫風邪の正しい治し方・治療法とは?市販の薬はある?
また、猫風邪は特に2~3カ月齢前後の子猫が
感染しやすい病気です。
それには理由があります。
子猫は母猫の初乳を飲んだ時に移行抗体をもらいます。
移行抗体とは母猫からもらう免疫機能です。
この抗体は徐々に効果が低下していき、
生後8週前後(2カ月齢前後)で切れるといわれています。
そのタイミングでウイルスなどへの抵抗力が弱まり、
病原体に感染・悪化しやすくなります。
猫風邪の症状と重症化・慢性化の危険!
主な初期症状として次のものが挙げられます。
- くしゃみ
- 鼻水
- 咳
- 目ヤニ
- 発熱
- 下痢
- 食欲低下
このような症状が出たら猫風邪を疑いましょう。
ここまで、猫風邪を重症化させる病原体は3種類あり、
それぞれ症状や治療方法が違うとお話ししました。
では、それぞれどのような症状が出るのか、
見ていきましょう。
1、猫ヘルペスウイルス感染症
一般的には「猫ウイルス性鼻気管炎」と呼ばれています。
ヘルペスウイルスに感染した猫は、
そのほとんどが、生涯にわたりウイルスのキャリアとなります。
下痢による食欲の低下や脱水症状を引き起こします。
また、角膜炎や結膜炎の症状が現れ、
大量の目ヤニで目が明かなくなることもあります。
2~3カ月齢前後の子猫に多く発症しますが、
もし、妊娠している猫がかかった場合、
流産の危険性もあるので注意が必要です。
またこの病気をきっかけにして、
次のような感染症を引き起こすこともあります。
- 失明を伴う角膜実質炎(瞳の濁り)
- 慢性の副鼻腔炎(ちくのう症)
- マイコプラズマなど、重い感染
猫ヘルペスウイルス感染症は、ウイルスによる感染ですが、
体外に排出された後も1ヵ月以上感染力が衰えません。
猫のケージなど、きれいにするように心がけましょう。
ヘルペスウイルスの除去は、
市販の消毒薬や家庭用の洗剤で対応できます。
2、猫カリシウイルス感染症
人のインフルエンザに、「A型」、「B型」、「C型」があるように、
猫カリシウイルスには、複数のタイプがあります。
特徴的な症状は口腔内潰瘍です。
悪化すると口の中に水泡や口内炎ができ、
その痛みにより食事ができなくなるケースがあります。
また、口臭がきつくなったり、
よだれが多くなったりすることがあります。
さらには肺炎や関節炎、歩行異常(跛行:はこう)を
起こすこともあります。
主に2~3カ月齢前後の子猫に多く発症します。
ウイルスによる感染ですが、
体外に排出された後も1ヵ月以上感染力が衰えません。
ヘルペスウイルス同様に、
猫のゲージなど、きれいにするように心がけましょう。
ただし猫カリシウイルスは、
よくニュースになるノロウイルスに近いウイルスで、
一般的な多くの消毒薬では殺せません。
次亜塩素酸ナトリウム(液体の塩素系漂白剤)が有効です。
子猫の発症しやすい時期は特に、
猫の行動範囲を制限し、清潔に保つ努力をしましょう
強毒全身性ネコカリシウイルス
最近報告されたもので、注意すべきなのは
「強毒全身性ネコカリシウイルス」というものです。
症状には発熱、皮膚の浮腫、
頭部・手足の潰瘍性腫瘍や黄疸がみられます。
成猫がとくに重症化しやすく、
驚くことに、死亡率が67%にもなります。
3、猫クラミジア感染症
猫クラミジアは微生物(球菌)の一種です。
初期症状は結膜炎など目の症状で、粘り気のある目ヤニが特徴です。
まず片方の目に症状が現れ、両側に進行していきます。
充血を伴う結膜炎やまぶたの痙攣(けいれん)を伴います。
感染直後に食欲不振がありますが、
それ以降は元気で食欲も通常に戻るケースがほとんどです。
クラミジアは通常60日ほど結膜からの排泄が続きます。
(菌が出続けている状態)
そのことからもわかるように、
症状が長引くことが多く、慢性化しやすい病気です。
猫クラミジア感染症は菌によるもので、
菌を保有する猫の体液(つば、目ヤニなど)に、
直接ふれることによる接触感染です。
猫ヘルペスウイルスや猫カリシウイルスのように、
付着したものが長期間感染力を維持することはありません。
まとめ
今回は猫風邪の原因や症状についてご紹介しましたが、
いかがでしたか?
猫風邪は複合感染によって起こることが多く、
とくに重い症状を引き起こすのは、
- 猫ヘルペスウイルス感染症
- 猫カリシウイルス感染症
- 猫クラミジア感染症
です。
悪化すると病状が長引き、
後遺症や、場合によっては死に至ることもあります。
猫風邪は予防が大切です。
もし猫風邪になってしまったら、
猫の生活範囲を清潔に保ち、他の猫から隔離するようにしましょう。
猫風邪の正しい治し方・治療法とは?市販の薬はある?と
猫風邪の予防法とは?感染経路に注意!で
詳しくお話ししています。
猫風邪は、「たかが風邪」ではすまされない病気です。
おかしいなと思ったら、
すぐに動物病院を受診しましょう!
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